実行委員長挨拶


皆さん初めまして。
第60回日米学生会議の実行委員長を務めさせて頂くことになりました、慶應義塾大学経済学部2年の武田尚樹です。
今回は初日記ということで、自己紹介を兼ねて、JASCに応募することになったきっかけと第60回日米学生会議の理念について書いていきたいと思います。

日米学生会議との出会い

中学ではテニスに没頭し、高校ではアメフト一本の学校生活を送ってきた自分ですが、大学へ入学してからはやりたいことがなかなか見つからずにいました。とりあえず大学のESSに入ったのですが、あるスピーチ大会で配られた日米学生会議のビラを見て、「大学生活を変えられるかもしれない」と思い応募しました。小学校を卒業する12歳までアメリカで暮らし、帰国してからは日本で過ごしてきた自分にとって日本とアメリカの二つの国は特別な存在です。二カ国間を繋ぐ「何か」をしたいと前々から思っていて、その「何か」がやっと見つかりました。

第59回日米学生会議では様々なバックグランドを持った人たちと出会い、交流することができ、自分の人生観、世界観を確立するのに大変大きな影響を与えました。昼はintenseなディスカッションや講演会などに真剣に取り組み、夜はクラブで踊ったり、カラオケで騒いだり、朝まで語り明かしたりと、アカデミックなことだけでなく、時には羽目を外してみんなと付き合うことにより深い絆と信頼関係が生まれたのだと思います。

日米学生会議は自分にとって忘れられない経験であり、想像していた以上のものを得ることができました。そして、今年は実行委員となって昨年の会議を上回るような経験を提供していきたいと思います。

第60回日米学生会議で皆様にお会いできることを楽しみにしながら頑張ってまいります。よろしくお願いします。

第60回日米学生会議理念

【第60回日米学生会議理念】

“Students Redefining Their Role through Insight and Action”
新たな潮流へ〜60回を通しての再考と創出〜

 「世界の平和は太平洋の平和にあり、太平洋の平和は日米間の平和にある。その一翼を学生も担うべきである」という理念の下、1934年、満州事変を契機に悪化していた日米関係を憂慮していた4人の日本人学生が太平洋を渡り、日米学生会議を創設した。以後、太平洋戦争勃発に伴う会議中断をはじめ数々の困難を乗り越えながら、学生同士の率直な対話が相互理解を深め、平和の実現に貢献するという創設者の信念が継承され今日に至る。日米学生会議は創設時より学生独自による会議の企画、運営が行われ、毎年夏日米交互で開かれる約1ヵ月の会議は、日米の学生による相互理解と友情を醸成する場であり続けた。


現在の日米関係は、歴史上最も成熟した二国間関係とも言われるようになり、創立当初の目的は達成されつつある。しかし我々を取り巻く世界に目を向けると、テロリズム、環境問題、貧困、民族問題など様々な問題が山積している。このような状況の中で日米両国は、良好な二国間関係のみに満足せず、「世界の中の日米」という視点に立った行動が求められている。一方で、数々の困難を乗り越えながら日米関係に寄与し続けてきた日米学生会議は、良好と思われがちな日米関係、国際交流の一般化、社会貢献を掲げる学生団体の増加など様々な要因によって差別化と新たな価値の創出が求められている。第60回日米学生会議は、“Students Redefining Their Role through Insight and Action”「新たな潮流へ〜60回を通しての再考と創出〜」をテーマとして掲げ、ポートランド、ロサンゼルス、モンタナ、ボストンで開催される。この記念すべき第60回会議を機に、日米関係、また日米学生会議自体を問い直し、さらなる発展への追求を目指す。


 日米両国の学生は、文化や言語の壁を乗り越えながら、特定の利益に拘束されない率直な議論を交わすこととなる。その過程において、参加者は自身の考え方や価値観の根幹、そして社会の中における自身の役割を見つめ直す機会に遭遇するだろう。第60回日米学生会議では、分科会活動、フォーラム、フィールドトリップなどで個々人が主体的に行動する場を設けることにより、自身の考えや思いを積極的に発信していくこととなる。また、政府、地方自治体、NGONPO有識者の方々及び会議参加者以外の学生との対話を積極的に取り入れ、共に再考する機会も創出していく。このように日米学生会議を通じて得られた経験や成長はそれぞれの参加者に蓄積され、築き上げた信頼と絆は様々な問題を解決する一助となり、必ずや世界に平和をもたらすための礎となるだろう。第60回日米学生会議は、学生独特の意見や考えを発信し、行動する場を設け、未来への強固な基盤を創出することにより、新たな潮流を生み出す会議となることを目指す。